「会場レポ」特別展「江戸ものづくり列伝」(東京都江戸東京博物館)

3月31日(火)まで展覧会を中止(2020-03-13追記)

 特別展「江戸ものづくり列伝 ―ニッポンの美は職人の技と心に宿るー」は東京都の方針に則り、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から、2020年3月31日(火)まで展覧会が中止となっています。今後の予定に関しましては、江戸東京博物館ウェブサイトをご確認下さい。



特別展「江戸ものづくり列伝-ニッポンの美は職人の技と心に宿る-」

  • 編集部撮影

 本展は、江戸東京で活動した名工達の仕事と人生に光を当て、日本が世界に誇るものづくりの力の源泉を見つめるというもの。江戸が生んだ二人の蒔絵(まきえ)師・原羊遊斎(はらようゆうさい)と柴田是真(しばたぜしん)、尾形乾山(おがたけんざん)の陶法を継承し軍艦の建造をも手がけた鬼才の陶工・三浦乾也(みうらけんや)、葛飾北斎の弟子で絵師から金工の道に転じた府川一則(ふかわかずのり)、江戸の職人気質を受け継ぎ超細密工芸を究めた小林礫斎(こばやしれきさい)といった江戸の名工・職人達の作品が紹介される他、明治前期に日本を訪れたヨーロッパ貴族バルディ伯爵の「バルディコレクション」(ベニス東洋美術館所蔵)も日本初公開。

 音声ガイドのナビゲーターは2020年2月中席に真打昇進し、六代目神田伯山を襲名する神田松之丞さんが担当します。

  • 編集部撮影

 編集部ではプレス向け内覧会を取材しました。

  • 取材ご協力:東京都江戸東京博物館さま
  • 記事中の画像、写真、文章等の転載及び引用を全て禁止します。


会場レポ

バルディ伯爵

 オーストリア貴族バルディ伯爵(1851-1906)。世界一周旅行の途中、1889年(明治22年)に日本を訪れ、約8ヶ月ほど滞在しています。この間、刀剣、甲冑、漆器、陶器、絵画、小間物といった古美術品を買い集め、その数なんと1万点以上。それらの莫大な数の工芸品は現在、ベニス東洋美術館の主要コレクションとなっています。本展では、このヨーロッパ屈指の日本コレクションから35件が来日、公開されています。

  • 編集部撮影

 明治22年という時期は、日本の美術品の値が上がっていった時期であり、決して安いものではなかったはずです。会場の最初に展示される「写真画」からもバルディ伯爵のサムライ文化への憧れを感じさせます。

  • 会場内は一部写真撮影がOK(フラッシュはNG)。編集部撮影

薙刀の乕徹

 新選組の近藤勇が愛用したとされる「乕徹(こてつ)」ですが、2例のみ薙刀が確認されており、その一振りが展示されています。

  • 写真の左側 薙刀 銘 長曽祢興里入道乕徹  江戸東京博物館蔵  編集部撮影

 柴田是真が開発した漆絵。 漆を絵の具として使うという大変難しい技術です。

西洋の油絵に対抗した漆で描く技術

  • 写真の右側 漆絵 玄徳檀渓渡河図 柴田是真 明治10年(1877) 個人蔵 編集部撮影

隅田川周辺はかつては焼き物の一大産地だった!

 隅田川流域は瓦や日曜雑器の生産が盛んで、浅草郊外の今戸で作られる素朴でユーモラスは土人形は今戸焼(いまどやき)の名前で愛されました。写真は金沢春吉の今戸人形

  • 編集部撮影

日本人はみんなミニチュアにぐっとくる

 会場最後のセクションでは小林礫斎(こばやしれきさい)のミニチュアに玩具が紹介されます。写真だと全く伝わらないほどに小さいです。玩具とはいえ、象牙をくり抜いて作られた極小のタンス、3センチしかない瓢箪の中になんと3mmのさらに小さい瓢箪が入っている作品など、ぜひ実際に見ていただきたいものがずらりと並んでいます。

  • 編集部撮影

会場雑感

  • 編集部撮影

展示品一部紹介

  • [左] 梨子地藤巴立葵紋散松竹藤文蒔絵行器 [なしじふじともえたちあおいもんちらししょうちくとうもんまきえほかい] 江戸時代 18世紀 ベニス東洋美術館蔵
  • [中] 朱漆塗鼠嫁入蒔絵組盃 [しゅうるしぬりねずみのよめいりまきえくみさかづき](浮船/作) 江戸時代 19世紀 ベニス東洋美術館蔵
  • [右] 藍鮫研出鞘脇指拵 [あいざめとぎだしさやわきざしこしらえ](鐔 銘 後藤光美、目貫 割際端銘 光・美、小柄・笄 無銘) 江戸時代 19世紀 ベニス東洋美術館蔵
  • [左] 紺糸素懸威五枚胴具足 [こんいとすがけおどしごまいどうぐそく] 天保15年(1844) 江戸東京博物館蔵
  • [右] 薙刀 銘 長曽祢興里入道乕徹 [なぎなた めい ながそねおきさとにゅうどうこてつ] 江戸時代 17世紀 江戸東京博物館蔵
  • 綾杉地獅子牡丹蒔絵十種香箱 [あやすぎじししぼたんまきえじゅっしゅこうばこ](幸阿弥長重/作) 慶安2年(1649) 江戸東京博物館蔵
  • 左から
  • 蔓梅擬目白蒔絵軸盆 [つるうめもどきめじろまきえじくぼん](原羊遊斎/蒔絵、酒井抱一/下絵) 文政4年(1821) 江戸東京博物館蔵 [展示期間] 2月8日(土)~3月8日(日)
  • 小塚原図 [こづかはらず](柴田是真・菊池容斎・鈴木守一・加納夏雄/合作) 安政2年(1855) 江戸東京博物館蔵 [展示期間] 3月10日(火)~4月5日(日)
  • 漆絵 花瓶梅図 [うるしえ かびんうめず](柴田是真/作) 明治14年(1881) 板橋区立美術館蔵 [展示期間] 3月10日(火)~4月5日(日)
  • [上段左から]
  • 栄螺形香炉 [さざえがたこうろ](三浦乾也/作) 明治時代 19世紀 個人蔵
  • 鳥井京山像 [とりいきょうざんぞう](戸沢弁司/作) 明治時代 19世紀 個人蔵
  • 今戸人形 [いまどにんぎょう](金沢春吉/作) 大正~昭和時代 20世紀 江戸東京博物館蔵
  • 蓮花図鐔 [はすはなずつば](府川一則(初代)/作) 江戸時代 19世紀 江戸東京博物館蔵
  • [下段左から]
  • 文久永宝母銭 [ぶんきゅうえいほうぼせん](府川一則(初代)/作) 文久2年(1862) 江戸東京博物館蔵
  • 文机硯箱揃 銘 寺小屋 [ふづくえすずりばこそろえ めい てらこや](小林礫斎/作)大正~昭和時代 20世紀 江戸東京博物館蔵
  • 桑箪笥 [くわだんす](小林礫斎/作) 大正~昭和時代 20世紀 江戸東京博物館蔵
  • 六瓢提物 [むびょうさげもの](小林礫斎/作) 大正~昭和時代 20世紀 江戸東京博物館蔵

開催概要

 現在、東京都の方針に則り、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から、2020年3月31日(火)まで展覧会が中止となっています。今後の予定に関しましては、江戸東京博物館ウェブサイトをご確認下さい。

 ※観覧料金等については公式サイトをご確認ください。

  • 展覧会名:特別展「江戸ものづくり列伝-ニッポンの美は職人の技と心に宿る-」
    ※会期中に一部展示品の入れ替えがあります。
  • 会期:2020年2月8日(土)~4月5日(日)
  • 会場:東京都江戸東京博物館 1階特別展示室
  • 開館時間:午前9時30分~午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)
    ※入館は各閉館の30分前まで
  • 休館日:毎週月曜日(ただし2月24日は開館)、2月25日(火)
  • 主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、毎日新聞社

展覧会公式URL

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