[会期終了]特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」みどころと会場レポート(東京国立博物館)

2019年1月16日

投稿:M3PRESS編集部

特別展「顔真卿」展覧会場入り口
報道内覧会にて編集部撮影

※会期終了にともない、画像の表示を終了しました。

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[開催中] 特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」

会場入口
報道内覧会にて編集部撮影

上野公園の東京国立博物館で2019年1月16日(水)より特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」(がんしんけい おうぎしをこえためいひつ)が開催中です。同展は書の普遍的な美しさを法則化した唐時代に焦点をあて、顔真卿の人物や書の本質に迫るもので、後世や日本に与えた影響にも目を向け、王羲之神話が崩壊する過程をたどりながら、改めて唐時代の書の果たした役割を検証していきます。

この記事では特別展示「顔真卿 王羲之を超えた名筆」の見どころの他、報道内覧会での取材による会場の様子、またオリジナルグッズ等の物販についてまとめてご紹介します。

展覧会のみどころと顔真卿について

  • 楷書の美しさ徹底解析!
  • 天下の劇跡「祭姪文稿」(さいてつぶんこう)の魅力に迫る!
  • 王羲之神話の崩壊をたどる!!

顔真卿について

顔真卿は、山東省の琅邪臨沂(ろうやりんぎ)の人。代々、訓詁と書法を家学とする名家に生まれ、唐の玄宗皇帝の治世になる開元22年(734)、26歳で官吏登用試験に及第し、4人の皇帝に仕えた官僚です。虞世南(ぐせいなん)、欧陽詢(おうようじゅん)、褚遂良(ちょすいりょう)ら初唐の三大家とは異なる美意識のもとにつちかわれたその書は、後世の多くの人々にきわめて大きな影響を与え続けています。

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会場の様子

開催に先立ち、1月15日 に行われた報道内覧会を取材してきました。メディアの他、書家の方や海外の方も出席されており、本展への高い注目と期待度を感じました。

今回は「書」の展覧会ということで、やや敷居が高いというイメージがあるかも知れませんが、音声ガイド以外にも、会場内にはイラスト付きキャプションなども設置されていて、はじめての方でも十分に楽しめる工夫がなされているのが印象に残りました。

紀泰山銘


紀泰山銘  唐玄宗筆 唐時代・開元14年(726) 東京国立博物館蔵
報道内覧会にて編集部撮影

唐の第六代皇帝玄宗(在位712~726)による隷書の大作で、山東省泰山の崖に刻され、現存している。天井から吊るしても余ってしまうほどの巨大な書。

祭姪文稿(さいてつぶんこう)

祭姪文稿 顔真卿筆 唐時代・乾元元年(758) 台北 國立故宮博物院蔵
報道内覧会にて編集部撮影

顔真卿が亡き顔季明を供養した文章の草稿である「祭姪文稿」。この悲痛と義憤に満ちた情感あふれた書については、展示ケースの横の壁面に詳しい解説が掲示されていますので、そちらも是非チェック下さい。

オリジナルグッズも充実

会場内の特設ショップでは、本展オリジナルマスキングテープ(自叙帖、祭姪文稿の2種類、550円と400円)の他、てぬぐい(各1,300円)トートバッグ(850円、2,800円の図録とセットだと3,500円)、また写真には入っていませんが、「 祭姪文稿 」より文字を形どった「愛」「心」の豆皿(1,600円)など、かなり素敵がグッズが販売されています。

関連展示:東洋館にも注目

東京国立博物館 東洋館8室の入り口
報道内覧会にて編集部撮影

東京国立博物館 東洋館8室では「王羲之書法の残影 -唐時代への道程(みりのり)-」を開催中です。こちらは台東区立書道博物館との連携企画で、東晋時代から唐時代までの初の道程を拓本や肉筆資料でつづるというものです。(会期は3月3日まで)

展示作品紹介

篆書(てんしょ)から隷書、そして楷書への進化、初唐の三大家による楷書の典型の完成、さらに顔真卿の活躍する時代へと時系列に沿う形で名書が紹介され、第3章「唐時代の書 顔真卿の活躍 王羲之書法の形骸化と情感の発露」で展示される《祭姪文稿》は日本初公開となります。また、展示後半では、日本の「三筆」(空海、嵯峨天皇、橘逸勢)「三跡」(小野道風、藤原佐理、藤原行成)による書の展示を通じ、日本における唐時代の書の影響について、また宋の時代以降、王羲之神話が崩壊し、個性的で野趣あふれる書風が主流になっていく様子なども紹介されます。

  • [左]孔子廟堂碑 虞世南筆 唐時代・貞観2〜4年(628 〜 630) 三井記念美術館蔵 (こうしびょうどうひ ぐせいなん)
  • [右]九成宮醴泉銘 欧陽詢筆 唐時代・貞観6年(632) 台東区立書道博物館蔵 (きゅうせいきゅうれいせんめい おうようじゅん)
  • [左]雁塔聖教序 褚遂良筆 唐時代・永徽4年(653) 東京国立博物館蔵 (がんとうしょうぎょうじょ ちょすいりょう)
  • [右]黄絹本蘭亭序(部分) 褚遂良筆 唐時代・7世紀 台北 國立故宮博物院寄託 (こうけんぽんらんていじょ ちょすいりょう)

755年に安禄山と史思明らによる安史の乱が勃発すると、玄宗皇帝は成都(四川省)に亡命し、唐の都長安は安禄山らに占領されました。内乱は8年の長きに及び、763年にようやく収束します。顔真卿は義兵をあげて乱の平定に大きく貢献しましたが、従兄の顔杲卿とその末子の顔季明は乱の犠牲となってしまいました。「祭姪文稿」とは、顔真卿が亡き顔季明を供養した文章の草稿で、悲痛と義憤に満ちた情感が紙面にあふれています。最初は平静に書かれていますが、感情が昂ぶるにつれ筆は縦横に走り、思いの揺れを示す生々しい推敲の跡が随所に見られます。

  • [左より順に]
  • 千福寺多宝塔碑 顔真卿筆 唐時代・天宝11載(752) 東京国立博物館蔵 (せんぷくじたほうとうひ がんしんけい)
  • 自叙帖(部分) 懐素筆 唐時代・大暦12年(777) 台北 國立故宮博物院蔵 (じじょじょう かいそ)
  • 小草千字文(部分) 懐素筆 唐時代・貞元15年(799)頃 台北 國立故宮博物院寄託 (しょうそうせんじもん かいそ)
  • [左]国宝 金剛般若経開題残巻(部分) 空海筆 平安時代・9 世紀 京都国立博物館蔵 (こんごうはんにゃきょうかいだいざんかん くうかい)
  • [右]重要文化財 行書李白仙詩巻(部分) 蘇軾筆 北宋時代・元祐 8 年(1093) 大阪市立美術館 (ぎょうしょりはくせんしかん そしょく)
  • 行書五言聯 趙之謙筆 清時代・咸豊8年(1858) 個人蔵 (ぎょうしょごごんれん ちょうしけん)

開催概要

項目内容
展覧会名特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」
Unrivaled Calligraphy:Yan Zhenqing and His Legacy
会期2019年1月16日(水)─ 2月24日(日)
会場東京国立博物館 平成館
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
開室時間9:30~17:00
※金曜・土曜日は午後9時まで ※入館は閉館の30分前まで
休館日月曜日
※ただし2月11日(月・祝)は開館、翌12日(火)は休館
主催東京国立博物館、毎日新聞社、日本経済新聞社、NHK
特別協賛大和ハウス工業
協賛信越化学工業、損保ジャパン日本興亜、トヨタ自動車、NISSHA、三菱商事
協力内田洋行、台東区立書道博物館、毎日書道会
展覧会公式サイトhttps://ganshinkei.jp/
お問合せ03-5777-8600(ハローダイヤル)

観覧料

  • 前売券の販売は終了
観覧料(税込)当日券団体券
—般1,600円1,300円
大学生1,200円900円
高校生900円600円

※中学生以下無料 ※団体は20名以上 ※障がい者とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳などをご提示ください)

関連企画

東京国立博物館と台東区立書道博物館の連携企画「王羲之書法の残影」展も開催中です。ぜひこちらもチェックしてみてください。

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